2014.12.20

絵を読む

絵本の絵を読む
ジェーン・ドゥーナン著/正置友子・灰島かり・川端有子 訳/玉川大学出版部

著者のジェーン・ドゥーナンはイギリスの絵本研究者です。大学では美術史を学んだためか、絵画を見ることと共通した視点から絵本の絵を見ているように思われます。
文字を読まなければ詩を味わうことができないように、絵の読み方を学び、よく読むことによって、絵本をもっと深く楽しむことができると、著者は考えています。
絵本は、文との関係、絵と絵のつながりなども考慮しなければなりませんが、まずは各ページの絵を読んでいくことから。

絵本を見る目を養うために読んだ本ですが、少しは絵画を見る目も養われたかな。

bookえをみる本棚にありマス

| | コメント (0)

2014.11.24

ユートピアを求めて@世田谷美術館

Seekingforutopia
松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて
ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドと
ソヴィエト・モダニズム

展を見てきました。
いきなり、黒い線、単純な色、ステンシルのように見える素朴な絵に、ロシア語の文字。
スローガンは、「穀物割当徴発制度の代わりに税金だ!」
「Р(ロシア)С(ソヴィエト)Ф(連邦)С(Социалистическая)Р(共和国)では、穀物割当徴発制度が廃止される」
などなど……素朴で過激な「帝政ロシアの黄昏から十月革命まで」(1900代-1920初)のコーナー。

ステンベルク兄弟ほかによる「新経済政策とロシア・アヴァンギャルドの映画ポスター」(1920代-1930代)のコーナーでも、写真なのか絵なのかわからない人の顏、色数は少なく、はっきりした色使い(特に赤に力を入れたらしい)、直線や円、曲線を組み合わせたダイナミックな構図に、圧倒される。
その中で、КИНО КОМЕДИЯ(キノ コメディア/コメディ映画)のポスターは、かわいくて、とても楽しい。上の写真は、ステンベルク兄弟デザインによるドイツ映画のポスターの一部で、白く見えている部分は黄色です。

新聞の写真を切り抜いてコラージュしたような、「第一次五ヵ年計画と政治ポスター」(1920代-1930初)のコーナー。

いやあ、軽い気持ちで行ってびっくり。

| | コメント (0)

2014.11.11

毛だらけ?!

けだらけ
ミロコマチコ 画集/筑摩書房

2012年に「オオカミがとぶひ」で絵本作家デビューしたミロコマチコさんの画集。
猫(てつぞう)たちを飼っているミロコさんが、紙も筆も雑巾も毛だらけの中で描いた、毛だらけの生き物たちの絵、だから、画集「けだらけ」。

私は、線だけで厚みを表現できたら(遠近法とか影を描き込むとかではなく)いいなと思っているのですが、ミロコさんのけだらけたちは、勢いのある筆で3次元的な描画方法は使わずむしろ2次元的、しかも身体のパーツは気の向くまま大きくしたり小さくしたり、不思議なプロポーションであるにもかかわらず、毛だらけで体温のある生き物が紙から飛び出てきそう。
とてもおもしろい。

| | コメント (0)

2011.05.04

絵本作家 飯野和好さん♪

20110504 JPIC主催の弟12回「上野の森 親子フェスタ」で、国立博物館平成館大講堂にて、東日本大震災被災地支援プログラム「いま、子どもに、私たちができること―子どもの本が笑顔を運ぶ」(共催:日本ペンクラブ、日本出版クラブ、日本国際児童図書評議会)を、聞きました。

絵本作家の先頭をきって登場された、飯野和好さんは、期待通りの恰好で、「ねぎぼうずのあさたろう その8 にんにくにきち はしる!」を、期待通りの楽しさで、ゆるい熱演。

いつもの姿勢を貫き通す飯野さん、いいと思います!

| | コメント (0)

絵本作家の直筆画を見ました

110505_160801_new JPIC主催の「上野の森 親子フェスタ」、弟12回の今年も行ってきました。

パンダでにぎわう上野動物園の手前で右方向に進むと、白いテントが並び、たくさんの出版社が
この催しだけの特別価格15%offで、絵本を展示販売中。そこを通りぬけて、東京国立博物館の脇の道を進み、国際子ども図書館(今年はこいのぼりがいない!?)の向かい側の門から入った、国立博物館平成館大講堂にて、東日本大震災被災地支援プログラム「いま、子どもに、私たちができること―子どもの本が笑顔を運ぶ」(共催:日本ペンクラブ、日本出版クラブ、日本国際児童図書評議会)を、聞きました。

.

.

プログラム
・被災地からのレポート(映像)…「3.11絵本プロジェクトいわて」末盛 千枝子さん
・子どもの本の創り手からのメッセージ
 飯野 和好さん
 角野 栄子さん
 末吉 暁子さん
 長野 ヒデ子さん

.被災地からのレポート「3.11絵本プロジェクトいわて」の映像より
□末盛千枝子さんのメッセージ
「宮古の避難所で子どもたちに絵本を読んでいるのを見たとき、そんなときにも楽しそうな子どもたちの中に、じっと動かない幼い女の子がいた。お母さんの帰りを待っている子だった。
 元の生活に早く戻れるようにとよく言うけれども、失ったものは戻ってこない。 だから、元に戻るということはできない。 大切な人を失ったことを受け入れる。それは、明るさを取り戻す小さな時間を積み重ねていくこと」
□全国から送られてきた絵本は…
 1.全国から送られてきた絵本の段ボール箱を、受け取り日別に固めて積む
 2.受取日順に部屋に運び込み、おはなし会ボランティア他の方々が開封
 3.絵本に詳しい人、司書、保育士などが、絵本を4段階の年齢別に分類
  黄:0~3歳 赤:4~5歳 青:小学校低学年 緑:小学校高学年
 4.年齢別カラーシールを貼った半透明プラスティックの箱に入れる(1箱に50~60冊入る)
 5.必要とされる場所(避難所、保育園、幼稚園、小学校など)に、プラスティックケース単位で届ける
  まるごと流された野田村図書館用には、段ボール箱をたくさん積んで待機中。
 えほんカー(移動ミニ図書館)のプロジェクトも進んでいて、もう少しで1台目がデビュー!

また、講堂の脇の部屋には、「子どもたちへ<あしたの本>プロジェクト」の、絵本・児童文学作家らによる応援メッセージ・直筆画が、ぎっしりと展示されていました。これらの絵は、その場で、または7月末日までに、FAX、郵送、Webで、入札でき、最高額で申し込んだ方に販売され、売り上げは全額、このプロジェクトを通じて被災した子どもたちの読書活動支援にあてられるとのこと。これらの絵は、JBBY(日本国際児童図書評議会)のHP内「子どもたちへ<あしたの本>プロジェクト」のチャリティオークション作品で見ることができます♪入札もできます♪

| | コメント (0)

2010.10.22

ライブ紙芝居

Img_new手帳の中の空き地を見つけて描きました。いつもは細いプチを持っているのに、たまたま中プチ、しかも使い込んで先が柔らかくなったのしかなかったので、紙や髭が描きにくいったら。

某出版社の「絵本の学校」で、絵本作家の長谷川義史さんのお話を聞きました。聞きながら、ちょこっと落書き。長谷川さん絵を描いた「ねえ ねえ」(内田麟太郎 文/すずき出版)を、ご自身で読んでいるところ。長谷川さん、勝手に描いてごめんなさいm(__)m

絵本の中の絵は、長谷川さん考案のライブ紙芝居(大きな模造紙に、会場の皆さまからいただいた3つのお題を使って、墨汁をつけた太筆で三題話紙芝居を描くというもの)で描かれた絵を思い出しながら、後から描き加えました。お題は、「まつたけ、あそび、南京玉すだれ」。向かって左のマツタケを描いたのは、飛び入り参加の絵本作家、藤本ともひこさん。長谷川さんは大阪在住なので会う機会が少ないそうですが、仲良しのお二人の会話も楽しいライブでした。オチは、マツタケが「明日は遊べる?」、サル「ああ、明日も遊べないんだ」、マツタケ「ええっ、じゃあ、あさっては?」、サル「あさってかあ…あさって?あさって?さてさてさてさて さては 南京玉すだれ♪」お後がよろしいようでcoldsweats01

Sn260031 長谷川さんは、イラストレーターの仕事をしながら、絵本を作ってみたいと思っていたそうですが、持ち込みや絵本コンテストへの応募などは思いつかなかったそうです。フリーの編集者の松田素子さんに、自分の好きなものでよいからとにかく絵本の形にしたものを見たいと言われ、ぼうっとしていたら、奥様が、1ヶ月時間をください、必ず出しますと答えたそうです。そして、絵コンテを3種類出し、その中のひとつをまず作品にすることになりましたが、それからの松田さんの厳しさは相当なもので、何度も何度も描きなおしたそうです。出版社もなかなか見つからなかった中で、ついに世に出た1作目が、「おじいちゃんのおじいちゃんの おじいちゃんのおじいちゃん」(BL出版)。おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんの…おじいちゃんのおじいちゃんの…とさかのぼっていったら、とうとうおさるさんに会っちゃったというお話。あらすじだけでは、この絵本のおもしろさを伝えるのは無理sweat02

長谷川さんの絵は、浪花の匂いのする(?)おおらかな線でありながら、ディテールに凝っていて、見ているだけで楽しくなります。ディテールをいい加減にしてはいけないということも、松田さんに教わったそうです。写真は、しかけ絵本「おたすけてんぐ」(長谷川義史 作/絵 /教育画劇)の中の、おたすけてんぐが、かわいいまきちゃんからのお願いで、いなくなったねこのみいちゃんを「てんぐさがし」している場面。こんな仕掛けの場面が6場面もあります!特にこのページは私にとっては立体アート。町の風景の細部も、長谷川さんの本領が発揮されていますheart04

| | コメント (0)

2010.07.07

がんばれ、シスレー

100707sisleyposter ポスターが、アルフレッド・シスレーの『家のある風景』だったので、絶対に見に行こうと決めていたBunkamuraザ・ミュージアム『ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景』(2010年5月18日~7月11日開催)に、やっと行ってきました。W杯に夢中になっている間に、最終週、すべりこみでしたが、ひとついいことがありました♪今週図録を買った方、毎日先着50名様に、ポスターをプレゼントということで、もちろん午後からの仕事の前に行って、喜んでいただいてきました!(ストラスブールというのは、フランス北東部アルザス地方の中心都市で、今回は、ストラスブールにあるいくつかの美術館の収蔵品を集めたものだそうです。)

サブタイトル『コロー、モネ、シスレーからピカソまで』の中で、知名度はもっとも低いのではないかと思われるシスレーですが、『語りかける風景』にふさわしいポスターです。個性的なW杯日本代表の中で、無色透明という理由(?)で突然ゲームキャプテンに指名された長谷部選手みたい?長谷部選手は、視野の広い献身的なプレー、誠実なコメントでも存在感がありましたsoccer

開いた図録の右の絵はヴァシリー・カンディンスキー『サン=クール公園』。以前にカンディンスキー展を見たことがありますが、抽象画のカンディンスキーとは一味違う、抽象画以前の風景画です。小さな絵ですが、周りの風景画とも一味違って、光っていました。左の絵は、うまく映っていませんが、フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)の晩年の作『家と葦のある風景』。遠近感の浅い構図に、木と道の緑、写真では隠れていますが小さな四角い家のぽこぽこした屋根瓦、そして枯れた色の葦と古い桶と左下で黙々と何かをついばんでいる2羽の鶏。ツボでした。こんな落ち着いた展覧会では、まずは作者の名前なんか見ずに、自分に語りかけてくる絵をみつけたいなと思います。シスレーの『セーヌ河畔、あるいはロワン河畔』『家のある風景』も、彼と風景との会話に耳を傾けながら、ゆっくり見てくださいねeye

| | コメント (0)

2010.03.31

キリスト教美術の2000年

というテーマの10回講座を、母校のOBOG会のフォーラムで、受講しました。仕事帰りはおなかがすくし、1~3月の夜は寒いし、朝のうちに夕食の用意(?)をしておかなければならないし、それでも、3ヶ月で2000年、一気に駆け抜けてきました。

20100331byzantin ビザンティン美術の回の講師は益田朋幸さん(早稲田大学文学学術院教授)でしたが、8世紀~14世紀くらいの700年間を、主にイタリア周辺の教会に残るモザイク壁画などの写真を提示しながら、語ってくださいました。

その中に線の話が出てきました。衣服のひだを、線で表現している。その線は、どうしても模式化してしまうのだけれど、タイルを並べた太めの濃い線で、衣服の中の体の立体感を表そうとしていることがわかる、というお話でした。

洋服のひだだけを見ていると、近代絵画のようにも見える…

flairどこかで見たひだひだの線…だれだったっけ?たぶん、フェルナン・レジェ。もうひとつ、このところよく見かけるレンピッカ展(タマラ・ド・レンピッカ Bunkamura)のポスター。

| | コメント (0)

2009.11.10

う~ん、残念…

091110calenderbred 私の最初の師匠、たった3ヶ月だったとは思えない濃い師匠、あわたさちこさんの、2年ぶりの東京での個展、あんなに楽しみにしていたのに、日程を間違えた(>_<)

佐渡島在住で、めったに会えないあわたさん、せめて絵だけでも、と思って2人展最終日に代々木八幡のル・シャレに行ったら、2人展のもうひとりの方の布細工の作品が全面的に…それはすてきな作品で、ル・シャレのミルクティーを飲みながらゆっくり見せていただいたけれど、ああ、1枚でもいいからあわたさんの絵が見たかったー。こうなったら、佐渡に行くしかないか、来年あたり(^^ゞ

昨年はメールでお願いして入手したカレンダーだけは買うことができ、ル・ヴァンのずっしりおいしいレーズンパンを買って、仕事に行きました。ああ、ボケてる私。

| | コメント (0)

2009.06.25

旅する絵描き いせひでこさん

090625isehideko 世田谷文学館で講演を聞きました。

子どもの頃から絵を描き続け

13歳のときにチェロと出会い

絵本作家を志して芸大のデザイン科で学ぶ

絵本「まどのむこう」チャールズ・キーピング作に出会う

一直線の道ではなかったようですが、今、旅する絵描き

昼はスケッチ、夜が明けるまで制作。いつ眠るの?!

とっても細くて、もっとずっとかわいい人です

「ルリユールおじさん」(前々から気になっていたけれど、今回入手してサインしていただいた絵本)を生み出すにあたって、すべてはそのお店に出会った瞬間の感動から始まった。大事なことはシンプルな小さなことにあるのではないかと気づかされた。

私が持っていた絵本は「絵描き」(絵描きは何をもとめて絵を描いているのか、自分にしか描けない絵とは…)、「1000の風 1000のチェロ」(阪神淡路大震災2ヶ月後の神戸でどうしてもスケッチができず、描いてしまうと忘れてしまうものだから、忘れてはいけない風景は描いてはいけないものなのかもしれない、と思った彼女に届いた1000人のチェロコンサート参加のよびかけ。支援コンサートに参加する人々との出会いと絆から生まれた絵本

絵本に興味のある方は→絵本ナビの紹介ページ

| | コメント (0)