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2015年3月

2015.03.11

いっしょに行こう!

いっしょにアンベ!
髙森美由紀 作/ミロコマチコ 絵/フレーベル館(文学の森)

児童書です。表紙や挿絵を、「オオカミがとぶひ」などで注目の絵本作家ミロコマチコさんが担当しています。
表紙は満開の桜をバックに、ノボルと有田が、大きな口をあけて何か叫んでいる場面。ピンク色が印象的です。
オレ、ノボルは小学校5年生。
2年のときに、どうしても登ってみたかった近所の家の柿の木に登って、枝が折れて落ちてから、足がしっくりこなくなり、よくコケるようになった。
だから、きらいな器械体操やマラソンをしなくてすんだが、好きなサッカーもドッジボールも野球もしなくていいと言われた。
その上、友だちから柿どろぼう呼ばわりされるようになった。
ひとりでいることは、自由だ…と思ってきたノボルの部屋に、震災で家族とも飼っていた犬とも、仲の良かった友だちとも会えなくなった有田が岩手からやってきた。
有田も5年生。有田は、いつもデジカメを持ち歩き、目についたものは撮らずにはいられない。

表紙カバー折り返し

『文中で有田が使っている言葉は南部弁です。「アんべ」は「行こう」という意味で使っています。』

4年目の3月11日。私たちの地区では、自治会から配布されている「無事」(もう一枚は「SOS」)のカードを午前中家の前に掲示してご近所さんと確認し合います。

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2015.03.06

絵本の印刷の色

ねっこぼっこ」(絵本ナビの紹介ページ

シビュレ・フォン・オルファース 作/絵 /秦 理絵子 訳/平凡社

「ねっこぼっこ」という言葉は、この絵本を日本で初めて翻訳した生野幸吉さん(福武書店1982初版)が、原題「ETWAS VON DEN WURZELKINDERN」の WURZELKINDERN(根の子どもたち)の「子どもたち」を、東北地方のことばから「ぼっこ」としました。きっと「ざしきぼっこ」のイメージですね。

秦さん訳の平凡社版(2005初版)は、生野さん訳の福武書店版(絶版)を踏襲して、 原作者のドイツ語による詩のようなテキストを、子どもにも親しみやすくリズミカルな日本語に変換しています。春が近づいて、土の中で目を覚ましたねっこぼっこたち、地上の上の春から夏への移り変わり、生き物たち、秋がきて根っこのおうちに帰るまでが、ていねいにていねいに描かれた、女性らしいかわいい絵に、短いテキストがぴったり寄り添っています。

奥付によると、作者のオルファースさんは、1881年に生まれ、20代で修道院に入ってからも絵を学び続け、美術教師をしながら絵本の制作をつづけました。「ねっこぼっこ」(1906初版)ほか、8冊の絵本を残し、病気のため34歳で世を去りました。

オルファース作の絵本「ねっこぼっこ」の絵だけを残し、アメリカ人のヘレン・ディーン・フィッシュ(1890-1953)がテキストを書いてアメリカで出版された「WHEN THE ROOT CHILDREN WAKE UP」という絵本があります。
それを石井桃子さんが訳して編集したものが「根っこのこどもたち目をさます」で、童話館出版から2003年に出ています。
この絵本は、オルファースさん本人が簡潔で美しいテキストを添えているのに、細かく描かれた絵が語っていることをわざわざ文章にしている理由がよくわかりません。フィッシュさんは編集者だったようなので、当時のアメリカでは細かく文章にしないと伝わらない(売れない)という判断だったのでしょうか……

図書館で上記3種類の絵本を借りて、3冊を見比べたときに気がついたのは、絵の色合いが微妙に違うこと。 自分のスケッチをスキャンしてはがき等に印刷したときの悩みがよみがえりました。あちらをたてればこちらがたたずというか、とりあえず基本設定で印刷すると、プリンターのくせなのか、黄色が強くなる感じ。そこでいろいろ設定を変えてみても、青空の色がなかなかきれいに出ません。
この絵本の場合、全体に色味が一番濃いのは平凡社版。黄色、赤、そして空の青が一番きれいに出ていますが、緑色がちょっとダークな感じ。ドイツの森の色?
もとの色に近いのではないかと思われるのは、ちょっと古い福武書店版。見比べなければ、原画もこんな色だろうなと納得させてくれます。
ちょっと異色の童話館版「根っこのこどもたち…」は、春らしい軽さを出すためか、調整がいまひとつなのか、黄色っぽい感じがして、ちょっと言い過ぎですが、自分の印刷を思い出します。

さて、原画はどんな色なのでしょうか。

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