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2007年9月

2007.09.30

シスレーの色、シスレーの空

9月28日に「海の幸」に会いに行ったブリジストン美術館で買ってきた、4枚の絵葉書。ついつい風景画を選んでしまいました。子どもにどれが好みか聞いてみたら、息子は向かって左の2枚、娘は右の2枚だそうです。

070930bridgestonemuseumca *

「生木と枯木のある風景」ピカソ 1919

      「ヴェルノン付近の風景」ボナール 1929

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「イヴリー河岸」ルソー 1907

      「サン=マメス六月の朝」シスレー 1884

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070930sisleybridge1872 常設展示のひそかなねらいは、最近気になっているアルフレッド・シスレー。3月にオルセー美術館展で見て以来、はまっています。印象派の中で最後まで印象派らしい形をくずさなかった(化けなかった)ために、日本では地味な存在のようです。本を図書館で借りて読みました。画集も買いました。借りた本の中の絵は小さいけれどたぶん原画に近い色、画集は色がいまいちでした。ブリジストン美術館のシスレーは、1866年作と上の1884年作。私が特に好きなのは、右の「ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌの橋(1872)」のような、1870年代に描かれたもの。夏に花巻に行ったときには、川(9月の台風で増水した北上川、美しい風景は戻ってきたでしょうか)を渡るたびに、「シスレーの絵のようだ」と思い、夏からこっち、毎日空を見て雲の形を研究していますが、やっぱり「シスレーの絵のようだ」と思ってしまうのです。

今回よかったのは、ジョルジュ・ルオーでした。「郊外のキリスト」もいいけれど、ブリジストン美術館の「ピエロ」、すごくいいです。子どもの頃に何度も見たルオー(倉敷・大原美術館のもの)。気になるけれどよくわからなかったルオーに、今頃惹かれるとは・・・。

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2007.09.28

海の幸

070930uminosachi 10月には久留米にある石橋美術館に帰ってしまう青木繁の「海の幸」に会いに、すべり込みでブリジストン美術館に行ってきました!よくよく考えると、以前に会ったのは、20年以上も前(>。<)

教科書などで見なれたこの絵にどきどきしながら会ったときの第一印象は、えっ、この絵は未完成?!その驚きが大きくて、どこまで絵そのものを見つめることができたかよくわかりません。ただ、とても気になる絵になりました。

今回は、そんなことは覚悟の上で、わくわくしながら対面!やっぱり不思議な絵です。この人は、なぜここでやめることができたのだろう。仲間同士で布良の海にやってきて、坂本繁二郎が見た水揚げの様子を聞いて、わきあがってくるイマジネーションのままに、一気に描いて、思いを出し切ったところで、完成、としたのでしょうか。

元は、金色の絵具が使われ、海は金色に輝いていたそうです。金色が塗りたくて、布良のまわりで大急ぎで絵具をさがしたけれど、どこにでもあるものではないし、お金もなかったため、あまりよい絵具が使えず、今では剥げ落ちてしまっているそうです。絵具が落ちたことを感じさせないこの線、このタッチ。描きこみ塗りこんだ部分と、ほとんど線描のままの部分。若さと力が爆発して筆が全力疾走している、でも、だから、どこかが痛い。

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2007.09.23

うらやかに見る

070923nagasawa 永沢まこと展「イタリア世界遺産を巡る」に行ってきました。小さめのスケッチもたくさんありましたが、全紙(76×56cm)の作品がずらっと並んでいるところは圧巻でした。

←これも全紙。イタリアの「サンジミニャーノの塔」。私のお気に入りは、畑と畑で働く人を描いた作品。

最近、本屋さんに寄ると、アートのコーナーをチェックすることが多いのですが、先日ぱらぱらっと立ち読みしたHow to本の中に、水彩画と油絵と両方を描く方のアトリエとインタビューが載っていました。その方は、水彩の作品はF10(53×45.5cm)サイズまでしか描かない、と断言していらっしゃいました。理由は、水彩は修正ができないから、失敗した時のことを考えると、大きい作品には向かない、とのことでした。そのとおりだと思います。まして、ペンスケッチの場合は、ペンで描くことも、透明水彩で塗っていくことも、時間のかかる一本勝負。引き返すこともやりなおすこともできません。私はまだF6(41×31.8cm)までしか描いたことがありませんが、大きい紙に描いてくれ~、と呼ぶものに出会えたら、全紙にチャレンジしたいものです。

トークショーも聞きました。その中の言葉、「うらやかに見る」とは。色に惑わされず、形をよく見ること。ただし力を入れて見つめるのではなく、「うらやかに見る」こと。4年前、ふとスケッチをしたくなり、数あるスケッチ本の中で抜群だった「永沢まことのとっておきスケッチ上達術」(草思社)。その中で、特に印象的な言葉がこれでした。わかるようでわからないから。そして、半年後にスケッチをはじめた時から、目標は、「うらやかに見る」こと。いまだに目標のままなのに、永沢まことオフィシャルホームページのリンク集で、いつの間にか“丁寧にそして「うらやか」にモノを見ると紹介されてしまって、ハズカシウレシイ・・・

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2007.09.21

原画を見る

070919ono 小野里香スケッチ展に行ってきました。

さわやかな細めの線で、しっかりと、しかも軽やかに、描きこんだ作品たち!

F4が多いことに驚きました。小野さんのブログで見せていただいた時には、そのゆったりとした構図と描きこみ具合から、F6かF8くらいだと思い込んでいました。あらためてブログを見ると、たしかにF4と書いてあります。小さめのスケッチブックを身軽に持ち歩き、さっと取り出して、これだけ豊かな絵が描けるなんて、すてきです。色もすてき。

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070919ishiduka 石束かなこ展に行ってきました。

石束さんの絵は、線も色も力強い!風景画は大きい!

私のお気に入りは、「赤い服の女の子」と「バザールのパンや」。どちらもこちらをまっすぐ見つめる眼力(めぢから)がすごいのです。私は、モナリザのようなタイプの絵(人物+飾りの風景)よりも、人物がその場所にたしかにいる!という絵が好きなようです。

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2007.09.20

雨のち晴れ

070719ameagariniwakara 7月の台風4号の日に、家の中から窓に張り付いて描いた、教室の宿題スケッチ。テーマは緑。

描き始めはかなりの雨でしたが、描いているうちに、雨はすっかり上がりました。最初は向かって左のモッコクのアーチのような枝ぶりに興味がありましたが、描いているうちに、雨上がりの夏空に向かって伸びるオガタマの若枝が主役になってきました。奥に見える棕櫚の葉の暴れっぷりが、台風の名残です。雨が上がって散歩に出かける人と犬、猫、ハト。見えるものは全部入れましたが、電柱だけは、木や家の陰に隠れてもらいました。

多摩動物公園のマレーバクと同時進行で色を塗りましたが、葉が多い分だけこちらに時間が掛かりました。これだけを塗っていたら、途中でめげたかも。

なんとか葉を塗り終えて、最後のお楽しみ(?)の空。まずは、雨上がりの空の写真を取り出し、マスク液で、私としてはありえないくらい繊細に雲を描く。乾くのを待って、水をつけた筆で空の部分をさっと濡らすと・・・ナ・ナ・ナニ???・・・かなり広い範囲にわたって、グレーのぶつぶつがたくさん浮き上がってきた~~~!!!ナゼ???空の色を塗れば、グレーが隠れるかも・・・でも、塗れば塗るほどぶつぶつが濃くなっていく・・・ショックで、頭の中は、暴風雨状態。

ここで、思いついたのが、息子のアクリル絵具。アクリルは透けないとか。なら、アクリルの白で塗りつぶしちゃえ!!!ぶつぶつを1粒ずつつぶすような感じで塗っていくと、なんだかマスキングよりもいい感じ(?)の雲になっていく。心もすっかり晴れました(^。^)V

教室でも好評だったので、今度はわざとアクリルで描いてみようかな・・・

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2007.09.13

高原の夏の朝

070816kitakamimorning_2 この夏、家族で行った東北急ぎ旅、唯一のスケッチ。

北上のペンションで、早朝に目が覚め、窓から見える薪の山が主役のつもりでしたが、目の前の木の描き込みに、大半の時間を費やしてしまいました。

この絵に限らず、木を描きたいというよりも、木のある風景を描きたい。木や草は、生きているし、逃げないし、ちょっとぐらいゆがんでも、広い心で許してくれるから、自由な気持ちでのびのび描ける。葉っぱを描きこんでいくのはちょっとつらいけれど、ペンの強弱をつける感触と、描きこむことによって立体感、遠近感が見えた瞬間が快感です。

この風景に、控えめな白い花がぴったりでしたが、絵の中では白を生かすのが難しく、全体を引き締めるつもりで、紫がかった濃いピンク(好きな色)にしました。

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2007.09.08

講評会・これはマレーバクです!

5日は、岡部自由が丘水曜教室7月期の最終日、講評会でした。アットホームでにぎやかな教室に、日曜クラスOGのkarinさんが駆けつけてくださいました!

小さなメモ用紙が配られて、何をするのかと思えば、それぞれの人宛に、発表された絵のよかったところを2つ書くのです。今期の野外スケッチは、真夏の多摩動物公園。動物描きは、建物などよりも自由に描けるようで、個性が際立つ感じがしました。いただいたメモは宝物♪

ところで、私のマレーバク。

070804bakum01  070804bakum03_2 070804bakum02_2

これは何???動物全般、形を取るのがむずかしいけれど、この単純そうな形がちっともとれない。A4サイズのクロッキー帳を取り出して、何枚か練習。あまりにも恥ずかしいので小さめにのせておきます(^^;)(本当は、もっと変なのもあった)

20070804tamazoobaku_2 おちゃめなバクには苦労しましたが、紙の下半分を描きあげたら、あとは自由だ!一目ぼれしたバナナと棕櫚を、好きに描いていいからね、と言い聞かせながら、陸のバク、子どもたち、プールのバク、バクのまわりの草の順に描きました。先にバクと宣言してしまえば、まあ反対はされないだろう程度のバクが描けたので、もう棕櫚はノリノリ。少しぐらいゆがんでも、棕櫚は許してくれるから。

色塗りも楽しかった。悩んだのは、黒+薄いグレー+黒のバクちゃんの色とプールの水の色だけ。水は、思い通りの色で塗りましたが、ちょっとマットな色なので、水に見えるように塗れたかどうか。

もうひとつの悩みはマスキングの雲。テレビアニメの空にも使えない雲しか描けないので、マスキングは封印して、ぼかしや筆で雲の雰囲気を出そうと研究してきましたが、真夏の暑い動物園、しかもマレーバクの空には、入道雲しか考えられない。覚悟を決めて、入道雲の写真を見ながら、気合いで描きました。バクが喜んでくれる雲になったかな。

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2007.09.05

世田谷区民絵画展♪♪

昨年、天井の高い世田谷美術館の区民ギャラリーに、油絵や日本画などいろいろなジャンルの絵に混じって、ちんまりと掛けていただいて感じたことを生かして、描ききった作品ですっ!!と言いたいところですが、今年もやっぱり日ごろ描いたものの中の1枚を、出すべきか出さざるべきか迷ったあげく、応募しました。なぜ応募したかというと、郵送された結果を見るときのドキドキ感がけっこう好き♪なのと、広い場所、様々なテイストの絵の中で、客観的(?)に自分の絵を見ておきたいから。

第31回世田谷区民絵画展

10月3日(水)~7日(日) 10:00~18:00(7日は~16:00)

世田谷美術館 区民ギャラリーにて

今年の絵はこれ、月記はこれ。長い間トップにおいてあったものです(^^;)

昨年の絵はこれ。月記はこれ

水彩は、アクリルはまあ別として、ボリューム感では他の画材にかなわない、でも、ボリュームで勝負する必要性は、あまり感じませんでした。ただ、高い天井の広い部屋で、たくさんの絵に囲まれた状態でも、魅力的な線を、ふと惹きつけられるような絵を、描けるようになりたいものだ、と思ったのでありました。

自分で描いたものに限らず、素描と作品の違いがどこにあるのか、自分の中に確たるものはありません。が、もし来年「世田谷組絵画展♪♪♪」を目指すとすれば、F10に描いたものを出せるようになっていたいと、思っています。(大きければいいってものではないけどね。あ、F10はそれほど大きいわけではありません。スケッチに持ち歩くにはかなり大きいと思うけど。)

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