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2006.08.18

アフリカ!アフリカ!とデッサン入門

200608scrawlcat 吾輩は近所を徘徊している猫である。名前はモモタロー、いやキンタローだったと思う。たまたま家の中をのぞいていたら、10秒で描かれた落書きである。

永沢まことさんの「アフリカ!アフリカ!展」に行ってきました。

人物もすごいけれど、動物の正面描きがすごい。人物は、向こうからも歩み寄ってくれている感じがする(これは本当にすごいことだ!)けれど、動物は、永沢さんの緊張感が伝わってくるような、永沢さんのほうからぐいぐい迫っていくような、生々しい線がすごい。ゾウやライオンなど、もともと顔に迫力がある動物もいいけれど、動物園ののんびり顔のイメージを覆すキリンの野生顔が魅力的。気になったのは、枝にぶら下がるヒョウ。前足はどこまで?胴と後ろ足のつながりは?という謎があるにもかかわらず、確かに生きている塊としての存在感がある。ライオンの小さいデッサン(色なし)も、お気に入りの1枚です。

最近、「デッサン入門 平山郁夫 前田常作」(新潮社)を愛読しています。「とんぼの本」というシリーズの小型のビジュアル本です。この本の絵(素描や習作よりも本画が多い。しかも古今東西の名作)を見て、平山氏と前田氏の対談やコメントを読むと、デッサンとは造型を支える骨格とのこと。

デッサンは基本的に線で構成されている。画家は心ひかれる対象を描かんがためにデッサンの線を引く。心ひかれた対象を可能な限り丁寧に観察して、その上で線を引きはじめればそこには一つの世界が誕生する。デッサンがうまいにこしたことはないが、へたでも描きたいという想いが1本1本の線にあらわれてデッサンをささえてくれる。うまくなるには写生を積み重ねる以外に方法はない。(平山氏)

村上華岳の「画家は筆を執らぬ時も不断の素描をやっているのだ。心の工夫は即ち筆の素描ではないか」という言葉を引きながら、技術的な勉強は必要だが、それよりも、何か対象があって、その一つ一つに向かって観察し、つかまえ、そこから受ける感動こそが根本。対象の生きているそのままの姿をとらえ、それと同体になることが一番大切なのです。(前田氏)

私にとってとても新鮮な本ですが、1978年の芸術新潮の特集を再編集したものです。

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